妹の部屋
その日、俺は大学の講義が休講になって、昼過ぎに帰宅した。両親は旅行で留守。家には、二つ下の妹——二十歳になる美咲しかいないはずだった。
二階へ上がると、妹の部屋のドアが、わずかに開いていた。ノックしようとして、手が止まる。隙間から見えたのは——ベッドの上で、下着をずらし、自分の指を這わせている妹の姿だった。
息を呑む音が、聞こえてしまったのだろう。妹がこちらを向いた。目と目が、合った。
時間が、止まった。妹の顔がみるみる赤くなる。でも——逃げも、隠れもしない。ただ、潤んだ目で、じっと俺を見ている。
「……お兄ちゃん」掠れた声だった。「お母さんには、言わないで」
その瞬間、理性より先に、言葉が口から出ていた。自分でも、信じられなかった。
「それなら、さ」——俺は、張り詰めたズボンの前を、隠そうともせずに言った。「この、硬くなったの……どうにか、してくれないか」
妹は、黙った。困ったように、視線を揺らして。長い、長い沈黙。拒まれる、と思った。兄として最低だと、頭のどこかが叫んでいた。
でも、妹は——小さく、頷いた。
頷きを受け取った瞬間、部屋の空気が、ひとつ重くなった。美咲はベッドの端に座ったまま、ゆっくりと残りの下着を脱ぎ、白い布を足首まで落として蹴り捨てる。二十歳の肢体が、昼の光の中に晒される。昔、一緒に風呂に入っていた頃の細い体とは、もう違っていた。乳房は丸く重みを持ち、先端はすでに硬く色づいている。下腹から秘部にかけて、薄い毛が柔らかく生え揃い、その奥の秘裂は、子どもの頃に湯船で見ていた無毛の割れ目とは別のものだった。大人の女の形になっている。その事実だけで、俺の怒張はさらに脈打った。
俺は立ち尽くしたまま、自分のズボンを下ろした。初めて他人の前に晒すものは、先走りの液で鈴口を濡らし、糸を引いている。美咲の目が、そこに止まる。眉が、わずかに寄った。
「……お兄ちゃん、皮、半剥けじゃない」
不意の言葉に、俺は固まった。
「これ、全部剥かないの?」
「ここから先、痛くて剥けないんだよ」声が裏返る。
彼女は困ったように小さく笑い、それから指先で包皮の縁を軽く触った。熱い。
「なら、口でしてみる? 濡らして、少しずつなら剥けるかも」
なんでそんなこと、知ってるんだ。訊きたい言葉は、喉の奥で止まった。
美咲は俺の返事を待たずに膝をつき、怒張を掌で包む。先走りを舌先で掬い、カリの段差をゆっくり舐め上げた。ぬるりとした熱が、裏筋を這う。彼女は包皮の縁に唇を添え、唾液を絡めながら、少しずつ後方へ滑らせた。痛みが走る寸前で止め、また舌で宥める。慣れた手順だった。奥手だと思っていた妹の口が、こんなに迷わない。
「……ん、ここまでは大丈夫?」掠れた声が、肉茎に直接当たる。
俺は頷くしかなかった。彼女はもう一度、根元から先端まで唇で辿り、十分に濡らしてから顔を上げた。唇の端に、透明な糸が光っている。
美咲は仰向けになり、片足を軽く上げて俺を招く。自分の手で俺のものを秘部へ導いた。先端が、濡れた秘唇に触れる。愛液と先走りが混ざり、ぬるりと滑る。花芯の膨らみを裏筋で擦ると、彼女の喉が小さく鳴った。割れ目の縁が吸い付くように開いては閉じ、熱がじかに伝わってくる。甘い匂いが、密着した肌の間から立ちのぼった。昔の湯船では見えなかった、大人の肉の厚みと濡れ方が、そこにあった。
「……入れて」
彼女が自分で角度を合わせ、腰をわずかに持ち上げた。秘口が、ひくひくと窄まりながら先端を誘う。俺は息を呑み、ゆっくりと沈めた。狭い入り口がカリをきゅっと咥え、一度抵抗してから、熱い肉の中へぬるりと飲み込む。中は想像以上にあたたかく、柔らかいヒダが絡みついて、奥へ奥へと引き込むように蠕動していた。
半分ほど入ったところで、美咲が自ら腰を沈めた。根元まで、一気に。奥の柔らかい場所が先端を押し返し、同時に内壁全体がきゅっと締まる。彼女の顔が、近くで艶を帯びた。眉が寄り、唇が半開きになり、焦点の合わない目で俺を見上げている。普段の口数の少ない妹とは、まるで別人だった。
「……お兄ちゃんの、思ったより硬い」
掠れた独り言だった。思ったより、の基準がどこにあるのか、俺にはわからない。訊く間もなく、彼女が腰を揺らし始めた。抜ける寸前まで引き上げては、また深く沈める。肉壁が追いすがり、入れるたびにヒダが幹を撫で上げる。濡れた音が、部屋に低く響いた。乳房が揺れ、先端が俺の胸を擦る。汗の匂いと蜜の匂いが濃くなり、彼女の太ももが俺の腰を挟み込んだ。
「……もっと、奥」
彼女の内が痙攣するように窄まる。花芯が俺の下腹に擦れるたびに、締め付けが強くなった。俺は彼女の腰を掴み、求めに応じて突き上げた。奥を突くたび、美咲の声が甘く裏返り、蜜が結合部からとろりと零れる。彼女は自分から腰を振り、絡め取りながら締め付け、奥へ誘うように肉を波打たせた。初めての俺が合わせるより早く、彼女の方が律動をリードしている。エッチのとき、女はこうなるものなのか——頭の隅で、そう思うしかなかった。
何度か深く貫くと、彼女の背中が反った。内壁が強く、何度も収縮し、根元を搾るように締め上げる。唇から押し殺した甘い吐息が漏れ、太ももが震える。その締まりに飲まれるように、俺も限界を越えた。熱いものが脈打ちながら奥へ放たれる。美咲の腰が小さく跳ね、まだ余韻の痙攣が、俺のものをきゅっきゅっと締め続けていた。
事が終わって、俺は天井を見上げながら、ぼんやりと考えていた。
妹は、俺が思っていたような、奥手の子じゃなかった。それどころか——まるで、今日という日をずっと待っていたみたいに、どこか振り切れていた。声の出し方も、腰の動きも、奥手だと思っていた妹からは想像もつかないほど、慣れて、濡れて、乱れていた。
昔、一緒に風呂に入って、きょうだい喧嘩ばかりしていたあの美咲が。いつの間にか、こんな大人の女になっていた。俺の知らないところで、ちゃんと成長していたんだな——そう思うと、妙にしみじみした気持ちになった。
そして、ふと自分のものを見下ろして、気づいた。あれだけ頑なに半剥けだったのが、ほんの少しだけ、前より剥けている。妹が丁寧に濡らして、ゆっくりほぐしてくれたおかげだ。一回でどうにかなるものじゃないけれど、確かに、進んだ。
これを何回か続ければ、ちゃんと剥けるのかもしれない。……また、妹に頼んでみようか。そんなことを、本気で考えている自分がいた。
妹のおかげで、俺も少しだけ、前に進めた気がした。そのときの俺は、まだ何も知らなかった。